JALの機内食は美味しくない?JALの新しい取り組みとは?
JALの機内食というと、どのようなイメージを浮かべるでしょうか?
一昔前は評判も良かったのですが、2000年代に入り経営が厳しくなるとともに、機内食がイマイチという声が聞こえてくるようになりました。
経営破たんした2010年前後は、機内食の良い評判を聞くことも少なくなり、ライバルANAの機内食の評判が上がるのとは、対象的な状況になりました。
では、経営が立て直された現在も、JALの機内食は評判が悪いままでしょうか?
答えは、世界でも10本の指に入るぐらいまで評判は回復したようです。
世界の航空会社を調査するスカイトラック社が発表する“美味しい機内食を提供するエアライン”の2016年版では、
エコノミー:5位
プレミアムエコノミー:6位
ビジネス:7位
と高評価を得ています。
一時は大きく引き離されたANAを上記すべてのクラスで上回った結果となり、完全に復活したように見られます。
JALの新しい取り組みなども含めて、簡単にJALの機内食について説明したいと思います。
JALに限らずそもそも機内食が美味しくないと感じる理由は?
飛行機に乗ると単調な時間を過ごすことになりますが、食事は機内での楽しみの1つにあげる方も多いと思います。
しかし、提供される食事の内容については、必ずしもポジティブな評判ではないようです。
ネガティブな声の主に理由を聞くと、メニューの内容ではなく、味が美味しくないという意見が圧倒的に多いことがわかります。
各航空会社があれだけ力を入れている機内食がなぜ、美味しくないのかと不思議に思いますよね。
実は料理自体がマズイのではなく、人間の生理的な問題が機内食を不味く感じさせるのです。
機内は乾燥していて、湿度は15%程度に設定されているのが通常です。
湿度15%とは砂漠より乾燥している状態で、人間が快適と感じる湿度40〜60%には程遠い状態です。
人間は湿度が低いと、味覚や嗅覚が落ちるので、料理が不味く感じます。
機内食が美味しくないと感じるもう一つの大きな理由は、食中毒を防ぐために必要以上に料理に火を通すことです。
多くの乗客に同じものを提供する機内食では、料理に菌が混ざっていると大量の食中毒者を一度に招いてしまいます。
また、長時間のフライトの場合、調理をしてからかなり時間がたったものを乗客が食べることになりますので、食べ物が傷まないように必要以上に加熱することになります。
以前、取引関係の方で、機内で食べた寿司にあたって、日本に滞在している間、ずーとホテルのベッドから起き上がれず、何も出来ないで帰国した方がいました。
このよう例をみても、機内での食中毒は大きな損害につながりかねないので、航空会社は気を付けて調理を行っています。
JALの機内食はエコノミー用にミシェラン2つ星のシェフが提供
各航空会社が力を入れる機内食ですが、よく耳にするのは有名レストランやシェフが監修した機内食です。
ミシェランの星を獲得しているレストランなどが、メニュー作りから実際の味付けまでを仕切る機内食を良く見かけます。
しかしこれらは、ファーストクラスやビジネスクラス向けの機内食であることが一般的です。
ですが、JALはハワイ線に西麻布の2つ星レストラン“レフェルヴェソンス”が、手掛ける機内食を2018年9月から投入しました。
ハワイ線は各航空会社にとってドル箱の路線である代わりに、その競争も激しいものです。
そこで勝ち抜くためにエコノミーの機内食まで、ミシュラン星のレストランの味を提供するという思い切ったことをJALはしました。
“レフェルヴェソンス”のグランシェフで、今回の機内食の責任者である生江シェフは、
- 美味しくて健康に配慮されたもの
- 身体に負担がかからないもの
- 時間がたっても美味しく食べれるもの
を考えてメニューを構成したと語っています。
人間の生理的なことをよく考えて、機内食にあったコンセプトで作られたメニューと思えます。
地上で食べると美味しい料理でも、空の上では余り美味しいと感じられないものもあります。
以前、ビジネスクラスに搭乗した際、有名レストラン監修の機内食が余り美味しくなく感じ、料理を半分くらい残しました。
CAが“この料理、地上で食べると美味しいのですが、乾燥した機内だと繊細さが伝わりづらいですよね”と言っていたのが印象に残ります。
機内の湿度などを考えると、しっかりした味付けの物が、美味しく感じられることが多いように思えます。
もちろん、JALはそこまで考えて今回のコラボメニューを選んでいます。
JALの機内食はアイデア満載?
機内食を食べると、どの航空会社に乗ってもあまり変わりばえしない印象を受けます。
肉もしくは魚のメインディッシュに、サラダ、パン、デザートのような構成のメニューがエコノミーでは一般的ではないでしょうか?
このマンネリを打ち破るようなアイデアがJALから発表されました。
期間限定ではありますが、欧米の主要路線の一部で、“AIR吉野家”を提供しています。
名前の通り、機内食に吉野家の牛丼と味噌汁、サラダを登場させたのです。
この取り組みは“AIRシリーズ”と呼ばれており、すでにAIR吉野家で29回目を迎えます。
以前にも“AIR MOS”や“AIR スープストック トキョー”など、日本が誇る有名ファーストフード店とコラボして、日本の味を機内で提供しています。
この“AIRシリーズは人気が高く、29回も続いているのが納得できる内容です。
以前、私もAIR MOSを海外からの帰国便で食べたとき、日本に戻ってきたなと、実感した記憶があります。
JALの機内食はさらに進化している?
エコノミーの機内食というとコスト的な問題や、大量の乗客に一度に提供しないいといけないなどの制約があり、各航空会社がなかなか特色を出しきれていないようです。
その中で、JALの新しい取り組みである“RED U-35”は斬新なものだと思えます。
若手のシェフを発掘するためにコンペティションを開催して、その上位6名に機内食を作ってもらうという内容です。
メニューの内容は和食、中華、フレンチ、イタリアンを季節ごとに提供しますが、若手シェアならではの自由な発想の料理となっています。
上位入賞者の赤井シェフが作る“くるまぶと鶏肉の玉子とじ丼”などは、今までの機内食ではあまり見かけなかった料理です。
このように新しい取り組みを行っているのも、JALの最近の特徴です。
実際、私も“RED U-35”の機内食を見ましたが、見た目もきれいでざん新な感じがして、旅の気分が上がるものでした。
まとめ
以前のJALの機内食は、よく言えばスタンダードなもので安心感があるという印象がありましたが、最近はかなり挑戦しています。
ライバルANAがさまざまな取り組みをして、高い評価を得ていたことも良い刺激になったのではないかと思います。
“Airシリーズ”や“RED U-35”など、エコノミークラスの機内食に力を入れているのがJALの特徴であると言えます。
他のエアラインがビジネスやファーストの機内食に特別感を出す中、JALのエコノミークラスの機内食は存在感があります。
私もJALの機内食を見ると、JALらしいなと感じることが最近多くったと思います。
JALの機内食で楽しいフライトを過ごしてください。
ANAの機内食についてはこちらの記事で解説してます。
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